• 2024/5/31
  • 『警官は実弾を込め、撃鉄を起こした』『警官は狙いを定め、引き金を弾いた』
     元警察官ならでは洞察力と鋭い筆致で、警察組織の腐敗を追及するジャーナリスト、黒木昭雄先生の初期2作品が電子で復刊しました! シリーズものというわけではないですが、やはり2冊セットで読んでおきたい内容。現場警察官が幹部に睨まれるとどのような扱い、嫌がらせを受けるのか。また、組織ぐるみの裏金工作、点数主義、書類の捏造、外部団体や天下り先への癒着や犯罪もみ消しなどを告発しています。うーん、ひどい。薄々気付いてはいたものの、ここまであからさまに手口を公開されると、ちょっと引いてしまいますね……。そりゃあ警察組織全体で毎日せっせと裏金を作っているのなら、自民党の裏金スキャンダルを見て見ぬ振りしますわな〜。お仲間ですもの。汗

    『栃木リンチ殺人事件』
     ひとりの男性が行方不明になり、街のチンピラたちに拉致されたことが発覚。ご両親は証拠を携えて何度も警察署へ捜索願を出しますが、所轄の警察官はすべて無視。その結果、被害者は凄惨なリンチを受けて殺されてしまいます。なぜ警察は動かなかったのか、なぜ嘘を重ねて事件を葬ろうとするのか、犯罪グループとどのような接点があったのか……。その隠蔽された真実に迫ったノンフィクションです。

    『神戸大学院生リンチ殺人事件』
     被害者の男性は、団地の敷地内でヤクザに絡まれ、暴行を受けます。110番してもすぐ近くの交番からは助けが来ず、のんびりとやってきたパトカー数台は、ヤクザ側の「なんでもない、帰れ」という恫喝にあっさり引き上げてしまいます。何度も救出する機会はあったにもかかわらず、怠慢業務によって、結局、被害者は殺されてしまいます。事件そのものもひどいのですが、その後の裁判もひどい。いかに警察という組織が、国民無視・自己保身の体質であるかがよくわかります。(法廷で初めて警察の職務怠慢が認定された事件です)

    『秋田連続児童殺害事件』
     当時、ワイドショーでさんざん取り上げられた衝撃的な事件なので、覚えている人も多いでしょう。幼い娘を殺した母親がメディアに出てきて「娘は殺された、警察はしっかり捜査してほしい」と涙ながらに訴えていました。しかし警察は早々に事故死と判定、捜査を打ち切ります。ところが第二の殺人が発生。近くに住む、またもや幼い男の子の命が奪われてしまいます。第一の事件を真面目に捜査していればこのような悲劇は起こらなかったはずですが……。なぜ警察は「事件」ではなく「事故」にしたかったのか、その謎を探り、検証するノンフィクション作品です。

    『臨界点』
     この作品のみ、ノンフィクションではなく小説です。ただし内容は、事実に則したかな〜りドギツイお話となっています。裏金問題、官僚主義、隠蔽工作、マスコミを利用した世論誘導などなど、警察組織のダメな部分がさらけ出されています。ストーリーの冒頭で、元警察官ジャーナリストが殺される、というのもまた……。色々考えさせられる問題作ですね。黒木昭雄先生の作品を読まれるなら、まずはノンフィクションから(オススメは先に挙げた「栃木」「神戸」「秋田」)だと思いますが、本書も捨てがたい名作。是非読んでみてください〜。

新刊案内

警官は実弾を込め、撃鉄を起こした

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NEW『警官は実弾を込め、撃鉄を起こした』

黒木昭雄・著

嗅覚を極度に発達させた男が、殺人事件の謎を「匂い」から解き明かしてゆく

 読者は本書を読み、改めて警視庁の構造的な問題とその程度の低さに驚き、組織内部の常識がどれほど異常であるかを知ることであろう。そして、これが日本警察の先頭に立ち、四万三千人もの警察職員を抱える大組織なのかとあきれ果てることだろう。(本文より)
 第一線で活躍する警察官が、傲慢で残酷な組織の逸脱した裁量権の中で正義を実行しようとすると、場合によってはいかに不当に扱われ、どれほど腸が煮えたぎる思いでいるか。その現状を、元警察官ジャーナリストが実体験をもとに綴るノンフィクション。

●黒木昭雄(くろき・あきお)
1957年、東京都生まれ。親の代から警察官で、1976年から1999年までの23年間、警視庁に勤める。在籍中は23回もの警視総監賞を受賞した。退職後は捜査するジャーナリストとして、警察内部の様々な問題や世間を騒がせた事件などを独自の視点で取材。著書に『警察腐敗 警視庁警察官の告発』(講談社)、『神様でも間違う』(インシデンツ)など多数。

警官は狙いを定め、引き金を弾いた

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NEW『警官は狙いを定め、引き金を弾いた』

黒木昭雄・著

嘘で固められた点数主義……警察の腐れきった体質とその手口を告発する

 古くから警察社会には直訴は認めないという風潮がある。たとえそれがいかなる重大問題であっても、その事実よりも手続きを無視した、直訴そのものの行為を警察組織は否定するのだ。だからといって一定の手続きを踏んで、警察内部で告発どころか不満の声をあげたら、その結果はどうなるのか。警察官ならだれでも知っているように、その声は無視され、脅され、ほされ、左遷され、退職させられ、そのうえ退職後までも不利益がついて回るのだ。(本文より)
 警視庁の偽領収書・裏金問題に関して、現場警察官のみが知る不当・理不尽な命令や行動の事実を公開。国民を食い物にする、警察組織内部の腐敗の実態とは……。元警察官ジャーナリストが実体験をもとに綴るノンフィクション。

●黒木昭雄(くろき・あきお)
1957年、東京都生まれ。親の代から警察官で、1976年から1999年までの23年間、警視庁に勤める。在籍中は23回もの警視総監賞を受賞した。退職後は捜査するジャーナリストとして、警察内部の様々な問題や世間を騒がせた事件などを独自の視点で取材。著書に『警察腐敗 警視庁警察官の告発』(講談社)、『神様でも間違う』(インシデンツ)など多数。

栃木リンチ殺人事件

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NEW『栃木リンチ殺人事件』

黒木昭雄・著

被害者両親の必死の訴えを県警は最後まで無視した……警察はなぜ動かなかったのか

 二ヶ月に及ぶリンチの末の殺人・死体遺棄、その恐るべき凶悪事件の詳細を描く。供述調書や関係者への取材から浮き上がってきた事実とは? 殺人は防げたのではないか? 両親の必死の訴えを無視し続けた栃木県警の隠された実態を浮き彫りにする。元警察官ジャーナリストが突き止めた、信じがたい事件の真相とは……。
 1999年に栃木県で発覚した複数少年らによる拉致・監禁・暴行・恐喝・殺人・死体遺棄事件を取材したノンフィクション。

●黒木昭雄(くろき・あきお)
1957年、東京都生まれ。親の代から警察官で、1976年から1999年までの23年間、警視庁に勤める。在籍中は23回もの警視総監賞を受賞した。退職後は捜査するジャーナリストとして、警察内部の様々な問題や世間を騒がせた事件などを独自の視点で取材。著書に『警察腐敗 警視庁警察官の告発』(講談社)、『神様でも間違う』(インシデンツ)など多数。

神戸大学院生リンチ殺人事件

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NEW『神戸大学院生リンチ殺人事件』

黒木昭雄・著

警察はなぜ目の前の凶行を止めなかったのか……法廷で初めて警察の職務怠慢が認定された事件

 ちっぽけな警察官の魂胆が、前途有望な青年の命を奪ってしまった。目の前の被害者ひとり救い出すことができずに、いったい誰のための警察なのか。ヤクザと取引したり脅し口調に尻込みするような警察官には、そもそも治安を担う資格はない。国民の命を守ることを責務とする警察だからこそ、過ちを知ったあとの対応がなによりも大事なのである。その意味からいうと、神戸西警察署の対応は、すべてにおいて納得できるものではなかった。国家賠償訴訟の裁判から見えてきた警察官の四つの過失とは……。
 2002年に兵庫県神戸市西区で発生した殺人事件と、その後の国家賠償訴訟を取材したノンフィクション。

●黒木昭雄(くろき・あきお)
1957年、東京都生まれ。親の代から警察官で、1976年から1999年までの23年間、警視庁に勤める。在籍中は23回もの警視総監賞を受賞した。退職後は捜査するジャーナリストとして、警察内部の様々な問題や世間を騒がせた事件などを独自の視点で取材。著書に『警察腐敗 警視庁警察官の告発』(講談社)、『神様でも間違う』(インシデンツ)など多数。

秋田連続児童殺害事件

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NEW『秋田連続児童殺害事件』

黒木昭雄・著

警察はなぜ事件を隠蔽したのか……捜査陣が答えられない八つの疑惑

 幼い子供が相次いで殺害された。母親が実子、関係のない第三者までを手にかけたという残虐極まりない事件だったが、一方で警察の捜査には不可解な点が数多く見られた。実施されなかった聞き込み捜査、外傷なしという虚偽、捏造された転落現場、早すぎる事故死の断定……。彩香ちゃん殺しは警察が意図的に「事故」にしていた!? あらゆる状況証拠は全て警察の犯罪を指し示している。隠蔽されたとしか思えない根拠を検証し、元警察官ジャーナリストが事件の恐るべき闇に迫る。
 2006年に秋田県山本郡藤里町で二人の児童が殺害された事件を取材したノンフィクション。

●黒木昭雄(くろき・あきお)
1957年、東京都生まれ。親の代から警察官で、1976年から1999年までの23年間、警視庁に勤める。在籍中は23回もの警視総監賞を受賞した。退職後は捜査するジャーナリストとして、警察内部の様々な問題や世間を騒がせた事件などを独自の視点で取材。著書に『警察腐敗 警視庁警察官の告発』(講談社)、『神様でも間違う』(インシデンツ)など多数。

臨界点

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NEW『臨界点』

黒木昭雄・著

惨殺された元警察官ジャーナリスト……彼が曝こうとしたのは警察組織の“闇”だった!

 東京湾晴海埠頭の沖合でジャーナリスト中川一邦の死体が発見された。彼は元警察官で、警視庁に対する告発記事を書いたことがある。司法解剖での所見は殺人を示唆していたが、なぜか自殺と置き換わって捜査本部はわずか3日で解散。中川の元同僚であり警視庁捜査一課の楠木宗一郎警部補は、一連の経過に不審を抱き、月島東署刑事・菊山エリカ、大都新聞社社会部記者・新城康之らとともに、独自に事件を調査するが、すぐさま上層部から圧力がかかる。一体、警察組織は何を隠蔽しようとしているのか……。
 警察不祥事を題材にして、徹底的にリアルに描かれた長篇ミステリ。

●黒木昭雄(くろき・あきお)
1957年、東京都生まれ。親の代から警察官で、1976年から1999年までの23年間、警視庁に勤める。在籍中は23回もの警視総監賞を受賞した。退職後は捜査するジャーナリストとして、警察内部の様々な問題や世間を騒がせた事件などを独自の視点で取材。著書に『警察腐敗 警視庁警察官の告発』(講談社)、『神様でも間違う』(インシデンツ)など多数。

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