• 2021/7/7
  • 『ドライヴしない?』
     1990年下半期・芥川賞候補作となった表題作と、第6回海燕新人文学賞受賞作「純愛」を収録。中篇2本がカップリングされた一冊ですが、ストーリーの対比も面白くて、前者は女性の同性愛を描き、後者は男性の同性愛を描いているんですよね。今の時代こそ読むべき一冊じゃないかなーという思いがあります。

    『ZOO(ズー)』
     祖父の死をきっかけに家族の不協和音が高まっていき、両親は離婚するかもしれない。そんな不安定な環境下で、主人公の「ぼく」は、動物園で見た老いたライオンの姿が忘れられなくなります。「殺してくれ」という老ライオンの声を聞いたような気がしたが……。台詞の一つ一つ、実に奥深い長篇小説です。

    『ニュースキャスターはこのように語った』
     村上政彦先生には珍しいショートショート集。本当の自分を隠し、仮面を被って生活する人々、という一貫したテーマはありますが、どの作品も一筋縄ではいかない、時にはかなり皮肉の効いた描写もあり、摩訶不思議なお話が多いです。意外とSFファンには好評かも?

    『東京難民殺人ネット』
     ある小さな街で起きた殺人事件と、その犯人捜し。これがネット上で盛り上がり、噂が一人歩きする怖さを描いています。事実、噂、偏見、憶測、虚言が渦巻く虚構世界で、あなたは真実という名の結末を迎えることができるか? なおハルキ・ノベルス版から大幅に加筆修正され、本文横書きとなっています。

    『三国志に学ぶリーダー学』『三国志に学ぶ勝利学』
     是非とも2冊セットで読んでほしい三国志関連本。武将や戦場でのエピソードの紹介と共に、そこから現代でも学ぶことの出来る人心掌握術、コミュニケーション能力を分析します。三国志ファンのためのビジネス書といえます。

    『量子のベルカント』
     1992年上半期・芥川賞候補作となった表題作と、1993年上半期・芥川賞候補作「分界線」を収録。惜しくも受賞は逃しましたが、どちらも名作です。アンソロジーに収録されたことはあっても、こうして作品集として販売されるのは初となります。本作は「買い」だと思いますよ〜。電子オリジナル作品。

    『蜜蜂の軍隊』
     元新聞記者の主人公がフリーペーパーに掲載したある小さな事件。初めは何の反応もなかったが、一般紙の地方版が似たような事件を報じ、やがてTVやネットでも話題になり、次々と模倣犯が現れる。最後には……。「噂」がいかに怖いものかを描いた中篇小説です。電子オリジナル作品。

    『血の轍』
     交通事故で妻子を亡くした男が、カウンセラーの導きで多くの家族の事情を覗き見るお話。村上政彦先生らしい、「家族」をテーマにした中篇小説で、先ほどの『蜜蜂の軍隊』と同じく単行本未収録となっていた隠れた名作です。巻末にあとがきを追加収録した電子オリジナル作品となります。

新刊案内

ドライヴしない?

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NEW『ドライヴしない?』

村上政彦・著

それは彼女の生涯で、初めての人間への求愛だった

 この経験は、やがて涼子をじわじわ戦慄させた。彼女は自分が友達としての優香を好きなのは認めたが、予備校生の出現がもたらしたパニックは、その、「友達としての」に誤解があることを暗示していた。涼子は優香との関係を回顧してみた。そして自分の中で、「優香のようになりたい」が、いつの間にか、「優香といっしょにいたい」になり、やがて、「優香を誰にも渡したくない」に変わっていたことを知った。(本文より)
 1990年下半期・芥川賞候補作となった表題作と、第6回海燕新人文学賞受賞作「純愛」を収録した作品集。

*ドライヴしない?
*純愛

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

ZOO(ズー)

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NEW『ZOO(ズー)』

村上政彦・著

“最後”の夏休み、ぼくはライオンを助け出すために、真夜中の動物園に忍び込んだ

 信じられなかった。生まれてはじめて目撃する、親の夫婦喧嘩のライブだった。祖父が生きていたとき、ふたりは言い争いさえぼくと小夜子のいるところではしなかった。そのときのぼくの心理は、どうなっちゃったんだろうという重い不安と、うちの親も夫婦喧嘩するんだというわくわくする発見の驚きがいりまじった複雑なものだった。(本文より)
 祖父の死をきっかけに家族の不協和音が高まっていき、主人公は「動物園のライオンがしゃべる」のを聞く。頭が変になったのではないかと深刻に悩むが……。長篇青春小説。

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

ニュースキャスターはこのように語った

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NEW『ニュースキャスターはこのように語った』

村上政彦・著

一見ごく普通に見える人でも、何かしらの“物語”を抱えている

 取引先の担当者の趣味に合わせて接待をするのはカイシャインの重要な職務の一つです。優秀なカイシャインである須賀室長は、ゴルフを覚えたときのようにコオロギ合わせを覚えて、カイシャが社宅として借りているマンションの一隅で、大きな顎と強い脚を持ったコオロギ合わせの勇士――山東省のコオロギの飼育をするようになりました。(「彼とコオロギの年代記」より)
 私自身のリアリティとは何か、世界と自己との関わりとは何か。カイシャインの、シュフの、ガクセイの、イイコたちの、皮。その皮に優雅な爪を立て、ひん剥いた、痛みと快楽の作品集。

*千億の夜 千億の朝
*アイ・アム・ア・グッド・フィッシュ
*僕の顔が地球になる
*イン・ザ・ネット
*黄金地帯戦場ツアー
*世界は愛に満ちている
*高度資本主義のためのポルカ
*彼とコオロギの年代記
*好きにならずにはいられない
*彼女についての二、三の事柄
*日本人の皮を剥ぐ
*永久ジオラマの夢

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

東京難民殺人ネット

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NEW『東京難民殺人ネット』

村上政彦・著

匿名で語られる幾通りもの“事件の真相”……ネットで流れる噂の中に真実は存在するのか

 東京都内のクリーニング店の裏庭より、ミイラ化した子供の遺骸が発見された。管轄の下山署では、遺体の身元確認を急ぐとともに、行方不明となっているクリーニング店の家族の捜査に全力をあげている。事件が発覚したきっかけが「クリーニング店の敷地内に子供の死体が埋まっている」というインターネットの投稿だったこともあり、ネット上では白熱した議論が続く。やがて、店の隣人や事件関係者を名乗る人間が書き込みを始め、ついには“犯人”までが参加するが……。
 インターネット上で推理される殺人事件の様相と犯人捜し。事実、噂、偏見、憶測、虚言が渦巻く虚構世界で、あなたは真実という名の結末を迎えることができるか? 新感覚・安楽椅子探偵ミステリ。
 ※本書は著者の意向により本文横書きで制作されています。

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

三国志に学ぶリーダー学

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NEW『三国志に学ぶリーダー学』

村上政彦・著

勝つ組織づくりの秘訣、人材の見極めと育成法、敵を味方にする外交術

『三国志演義』といえば、十四世紀に完成されて以来、ほぼ七百年にわたって読み継がれてきた大古典の小説です。(中略)この作品の魅力は、どこにあるのか? 大雑把にいえば、一つには天下取りという物語の面白さ。もう一つは、登場人物の多様さでしょう。物語には、当代の英雄・豪傑がひしめいていて、それぞれのキャラクターがつぶだっている。とりわけリーダーたちの姿が、生き生きと描かれている。彼らの言動には、時空を超えて、現代においても教訓となることが少なくない。(「はしがき」より)
 大古典の歴史書『演義』を中心にして、『正史』を参照しながら、すぐれたリーダーの在り方を考察する。

*三顧の礼
*水魚の交わり
*関羽の千里行
*泣いて馬謖を斬る
*連環の計
*桃園結義
*三寸不爛の舌
*長坂橋の戦い
*出師の表
*孟獲心攻戦
*姜維の北伐
*呉の建国
*呉の家臣団
*官渡の戦い
*徐庶の母
*孔明の北伐
*孫策の日時計
*馬騰と馬超
*夷陵の戦い
*七歩の詩
*世襲と禅譲

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

三国志に学ぶ勝利学

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NEW『三国志に学ぶ勝利学』

村上政彦・著

現在にも通じる勝利の方程式、乱世のいまを生き抜くための智慧

『三国志演義』を中心にして、『三国志』の英雄たちの戦いから、勝つための要諦を探りたい。(中略)あまり難しい議論をしようとは思わない。『演義』というアジアの大古典であり、最大のエンターテインメントを、読者と共にゆったり愉しみながら、乱世のいまを生き抜くための智慧を学んでいきたい。(「はじめに」より)
 大古典の歴史書『演義』を中心にして、『正史』を参照しながら、戦いに勝つための法則を考察する。

*赤壁の戦い
*孔明の智謀
*孔明の大論陣
*曹操の敗走劇
*曹操の復活劇
*関羽の不覚
*司馬懿の不屈
*老将黄忠
*定軍山の戦い
*ケ芝の外交戦
*猛将典韋
*戦略家呂蒙
*蜀の建国
*十常侍の専横
*勝敗の分岐点
*女性の献身
*荊州攻防戦
*官渡の戦い
*袁氏の滅亡
*後継者の育成
*組織の在り方

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

量子のベルカント

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NEW『量子のベルカント』

村上政彦・著

声を失くした少年はある日、不思議な外国人と出会い、音の散歩に連れ出される

 街の簡略な見取り図にところどころ鳥やギターやイラストの徴しと番号のついたそれを「音の地図」とホーリーは教え、今から音歩きに出かけるので耳を開いて蝸牛殻へ神経を集中するようにと言った。それはキャンピングカーを訪れた子供達すべてが受ける洗礼、ホーリーの助手を務めるための研修だった。(「量子のベルカント」より)
 1992年上半期・芥川賞候補作となった表題作と、1993年上半期・芥川賞候補作「分界線」を収録した電子オリジナルの作品集。

*量子のベルカント
*分界線

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

蜜蜂の軍隊

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NEW『蜜蜂の軍隊』

村上政彦・著

もう彼は彼自身ではなかった……ネットに現れた無数のCと一つになっていた

 元新聞記者の大沢保は『ディープ』というフリーペーパーを発行していた。それは街の目立つ場所に張り出される壁新聞で、大手マスコミとは性格の違うメディアだと自負していた。ある日、コンビニで売られていたサンドイッチに一本の縫針が刺し込まれていた、という事件を記事にする。初めは何の反応もなかったが、一般紙の地方版が似たような事件を報じ、やがてTVやネットでも話題になり、次々と模倣犯が現れる。そして『ディープ』に実行犯からの犯行声明が届くようになったあたりから、騒ぎは保がコントロールできないほど大きなものに膨れ上がっていく……。
 情報に煽られる大衆、集団心理の暴走を描く。単行本未収録となっていた中篇小説。巻末に電子版あとがきを収録。電子オリジナル作品。

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

血の轍

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NEW『血の轍』

村上政彦・著

家族というのは煩わしいものだが、その煩わしさが自分を支えることがある

 彼はちょっと頭を下げて自転車に乗った。帰りは下り坂なのでペダルは軽かったが、どこか気が重かった。昔から人と集まって何かをするのが嫌いで、学生の頃もサークルだのボランティアだのとは距離を置いていた。自分と同じような境遇のもの同士が集うというのも哀れそうでいい気持ちがしなかった。(本文より)
 交通事故で妻子を亡くした男が、カウンセラーの導きで多くの家族の事情を覗き見る。単行本未収録となっていた中篇小説。巻末に電子版あとがきを収録。電子オリジナル作品。

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

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