• 2021/4/12
  • 『ナイスボール』
    「ナイスボール」「南へ、海へ」という中篇2本が収録されており、前者は、1991年上半期の芥川賞候補、さらに1998年には『あ、春』というタイトルで映画化(監督:相米慎二、主演:佐藤浩市、山崎努、配給:松竹)されております。子供の頃に死んだはずの父が23年ぶりに突然現れ、奇妙な同居生活が始まって……というコメディ調のお話なわけですが、読み進めるうちに家族の大切さが再確認でき、ラストはもう〜超感動できます。じんわり、温かくなる名作。読んだほうがいいです、オススメ!

    『青空』
    「青空」「サクラダ一族(ファミリア)」の中篇2本を収録しています。前者は、1991年下半期の芥川賞候補作品。村上政彦先生って5回も芥川賞候補になっているんですよね。両親の離婚を機に家出してしまった姉。そんな姉から突然、絵葉書が届いたところから物語が始まります。こういう、ベタベタしていないけど家族のぬくもりを感じさせてくれるようなお話、いいですよね。素直にいい小説を読んだなという感想。何度も読み返したくなるような名作なのです。

    『アラブの電話』
     本作では「アラブの電話」「パラダイス」の中篇2本を収録しています。オススメは表題作。人の評判にまつわる仕事を生業にして放浪生活を送っている、いわばジプシーのような集団。そんな彼らと共同生活するようになった、ごく普通の日本人女性が見たものは……。ミステリのような、スラップスティックのような、それでいて不思議でちょっと怖い、都市伝説系のお話です。

    『魔王』
     これまでとはガラリと雰囲気が変わる本作は、ある新興宗教の教祖を描いた長篇小説でして、オウム真理教を引き合いに出されることが多いようですね。天才的な政治力、カリスマを兼ね備えた教祖が政財界でのし上がっていき、そして転落する様……。人間の怖さと醜さがモロに出ている、迫力ある作品です。

    『ハンスの林檎』
     第一次大戦時の実際の出来事を元にした長篇小説です。中国・青島で日本軍に敗れ、徳島・板東に移送されたドイツ人捕虜約千名と、収容所の日本人たちとの交流。戦争中のお話なのに戦闘シーンが全く出てこないで、パン作りや畜産、フットボール、西洋音楽といった文化交流に焦点が当てられた作品です。

    『「君が代少年」を探して 台湾人と日本語教育』
     1935年に起きた台湾大地震。その際に『君が代』を歌いながら死んでいった少年の話が、国定教科書に掲載されていた。このことは何を意味しているのか? そして「君が代少年」は実在したのか? 資料を読み、彼らを教えた日本人教師に取材し、現地・台湾を訪れる……。小説ではなく、ノンフィクション作品です。皇民化教育と言うのでしょうか、その実像を調査するうちに、植民地時代の台湾にいたという「ある少年」を追って現地まで出掛けて取材、そこで出会った人々の証言をまとめています。

新刊案内

ナイスボール

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NEW『ナイスボール』

村上政彦・著

死んだはずの父が突然現れた……奇妙な親子関係の生活が始まる

 少年時代、紘が投げたボールを追いかけたまま、父親は川に飛び込み、そのまま姿を消した。てっきり流されて死んだものと思っていたが、二十三回忌を無事済ませた紘の前に突然、その父親が現れた。いないからこそ確かな存在であった父の出現が、紘の意識と生活を揺さぶり始める……。
 表題作は1991年上半期の芥川賞候補となり、1998年には『あ、春』というタイトルで映画化(監督:相米慎二、主演:佐藤浩市、山崎努、配給:松竹)された。

*ナイスボール
*南へ、海へ

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

青空

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NEW『青空』

村上政彦・著

家出をした姉からの絵葉書は、僕の心の時計の針を一年半前に戻した

 眼の前には雄大な青空があった。自分だけがぽつんとそこにいる……。だが、生きていくことは、とてもしんどい、けれど刺激的なエンターテインメントだ、と思いたい。家族の崩壊を前提にドラスティックに生きる高校生を描いて1991年下半期の芥川賞候補となった表題作と、孤児として育ちながら“家族”を演じる劇団員の青年を描いた「サクラダ一族(ファミリア)」の中篇2本を収録。

*青空
*サクラダ一族(ファミリア)

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

アラブの電話

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NEW『アラブの電話』

村上政彦・著

“噂”を流して世の中を動かしている無国籍集団が日本に存在する!?

 人の評判にまつわる仕事を生業にする、日本人ではない放浪生活を送る人々というのがいったい何者なのか、夏子にはまったくぴんとこなかった。旅に同行したことを軽率だったかなとほんの少し悔やんだ。けれど彼女の中では事態をおもしろがっている気持ちも動いていた。(「アラブの電話」より)
 選挙を策謀し、巨大企業を告発する“噂”。トレーラーに乗って放浪しながらその噂を流すことを仕事としている「エーテル」と呼ばれる無国籍たち。非合法のプロ集団が非公式の情報網を使って暗躍するピカレスク・ロマンの表題作と、青春小説「パラダイス」の中篇2本を収録。

*アラブの電話
*パラダイス

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

魔王

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NEW『魔王』

村上政彦・著

圧倒的なカリスマと政治力を備えた新興宗教の教祖……その悪と快楽と救済を描く

 私は過去に出現したすべての偉大な聖者の根源である、と彼は言った。私は時を待っていた。そしてようやく機が熟した。私はみずからの本体を顕して人類を救済する。こうして世界大治療教は創立された。遂に教祖は世に出たのだ。(本文より)
「宗教」という怪物を、食べてみせよう。犬になった女と20人の父親から生まれ、みずから「世界大治療教」の教祖となって、宇宙支配の悪魔的野望に挑んだ男の、聖と汚辱の生涯とは。長篇小説。

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

ハンスの林檎

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NEW『ハンスの林檎』

村上政彦・著

第一次大戦で捕虜となったドイツ兵たちは、日本に「文化の樹」を植える闘いを続けた

 中国・青島で日本軍に敗れ、徳島・板東に移送されたドイツ人捕虜約千名は、異国の地で不安と闘いながら、パン作りや畜産、フットボールや西洋音楽を教える。若い将校の横暴に抗議してのストライキ。収容所で働く少年との友情。民間人との禁じられた恋の行方。「歓喜の歌」が初めて響いた四国の山河。その青春の息吹が、日本人の心をも変えていく……。
 板東収容所での史実をベースにして、ドイツ人と日本人の交流を描いた長篇小説。

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

「君が代少年」を探して 台湾人と日本語教育

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NEW『「君が代少年」を探して 台湾人と日本語教育』

村上政彦・著

「君が代少年」とは誰か? 少年の実像と日本語教育の意味を現地・台湾に追った異色作

 昭和十(一九三五)年に起きた台湾大地震。その際に『君が代』を歌いながら死んでいった少年の話が、国定教科書に掲載されていた。このことは何を意味しているのか? そして「君が代少年」は実在したのか? 資料を読み、彼らを教えた日本人教師に取材し、現地・台湾を訪れる。ついに「少年」の遺族や幼馴染みに会って真実を突き止め、台湾人の日本と日本語への思いを明らかにする。
 皇民化教育と日本語という、忘れてはならない課題を、一人一人の「生き死にの束」から捉えたノンフィクション。

●村上政彦(むらかみ・まさひこ)
作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。

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