• 2020/12/15
  • 『火群の森』
     主人公「刹那(せつな)」は蜂子皇子に仕える舎人。赤い髪と鳶色の肌を持つ蜂子皇子は、自分の容貌と、複雑な生い立ちに悩みますが、一方では、その血筋からして正統な大王継承権保持者。そんな彼らの前に現れたのが、絶世の美貌を持つ美少年であり、天才と謳われた厩戸皇子(後の聖徳太子)です。そう、本書は才能溢れる厩戸皇子の“影”に存在した青年たちのお話なのですね。本人は望まぬのに、大王継承権にともなう政変に巻き込まれてしまう蜂子皇子と、彼を支える刹那。いつしか二人の間には主従関係を超えた想いが芽生え、そして蜂子と厩戸の二人の皇子にも……。かなりボリュームのある作品ですが、重厚なストーリー、耽美的要素もばっちり入った名作です。この機会に是非!読んでみてください〜。

    『風花の舞』
     能楽・葛城流の十二代家元の息子・瑞生(みずお)。正統な後継者だった彼の前に、なんと腹違いの兄弟がいることが発覚。それをきっかけに弟子達の間で派閥争いが起き、本人の思いとはかけ離れたところで、後継争いに巻き込まれてしまいます。瑞生は果たして新作の能を舞うことが出来るのか……。本作は耽美小説ファンの中でも評価の高い作品でして、榊原史保美先生の代表作として推す人も多いのではないでしょうか。オススメです! 是非ダウンロードしてみてください〜。

    『この貧しき地上に』1〜3
     母譲りの美貌を持つ姫宮雪生をめぐる耽美小説でして、この雪生くんが、まぁなんといいますか、結構ハードな感じでいたぶられちゃいます。苦痛に泣き叫ぶ美少年が大好物、という方は是非!笑 とはいえ、お話はわりとシリアス。母譲りの美貌、と書きましたが、彼女はすでにこの世を去っており、彼女を慕っていた男に雪生が監禁されるところからストーリーは始まります。雪生を拉致・監禁・虐待する男というのが実の叔父でして、そのあたりのドロドロな愛憎劇も本作の魅力の一つ。叔父の手を逃れた雪生は写真家志望の青年・藤堂大地という運命の相手と出会うのですが、苦難の道はまだまだ続き……。ちなみに底本となった講談社X文庫では、分量の兼ね合いから、「1巻→1章」「2巻→2章と3章の前半」「3巻→3章の後半」という変則的な構成でしたが、今回の電子版では、すっきりと「1巻→1章」「2巻→2章」「3巻→3章」と振り分けております。

    『螺鈿の小箱』
     アンソロジーなどに収録されていた7本の短篇を収録。いずれも篠田先生らしい美しく、恐ろしいお話が紡がれています。これまで文庫になっていなかった貴重な作品でもあります。この機会に是非!お求めください〜。

    『夢魔の旅人』
     名ホラーアンソロジー、異形コレクションに寄稿された短篇作品で編まれた作品集ですので、ややホラー度が高めです。廣済堂出版さんから刊行された後に、お色直しして白泉社さんから出し直されました。今回の電子版では白泉社版の表紙イラストを使用していますが、廣済堂版の表紙イラストも巻頭口絵として特別収録させていただいた、お得版!となります。異形コレクションが復活したことですし、本作も併せて読んでみてはいかがでしょうか? 是非!ダウンロードしてみてください〜。

新刊案内

火群の森

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NEW『火群の森』

榊原史保美・著

蘇我と物部の政略の渦の中で、二人の皇子は互いに憧憬を抱く

 鼈甲を思わせる深い鳶色の膚と炎燃え立つ赤い髪……斑鳩の里“ぬばたまの館”の若き主であり、次期天皇と噂される父を持つ蜂子は、その異貌のためにひっそりと時を過ごしていた。かたや、桜の薄桃の花びらの如く優しく儚い容貌を持つ厩戸皇子は、救世観音の化身として、飛鳥の京で華やかな世界の中心にあった。蘇我馬子と物部守屋の政略の渦の中で、二人の皇子はたがいに激しい憧憬を抱く。光と闇、生と死の交錯の果て、日出る国を現前させる魂たちの荘厳な営み。歴史長編ロマン。

●榊原史保美(さかきばら・しほみ)
東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。

風花の舞

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NEW『風花の舞』

榊原史保美・著

宵宮の一夜、覚醒の風が吹く時、救済がはじまる

 能楽・葛城流の十二代家元の息子・瑞生(みずお)は後継争いの渦中にいた。京都で新作を舞うことが決まった瑞生は、後援者のすすめで鞍馬教の里で“魔王尊を地下王国シャンバラからお迎えするための祭り”に恩寵を授けられる少年の役となる。そのクマラの儀を経て、大祭で新作を奉納舞いすることが、家元の望みだった。だが、この鞍馬の風に吹かれた時から、瑞生を取り巻く運命は大きなうねりとなって葛城流を揺るがし始める……。
 少年神〈サナート・クマラ〉に捧げられた能をめぐる、絢爛たる一大叙事詩。長篇耽美ミステリの傑作。

●榊原史保美(さかきばら・しほみ)
東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。

この貧しき地上に(1)

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NEW『この貧しき地上に(1)』

篠田真由美・著

天女と謳われた母の美貌を受け継いだ青年に降りかかった悲劇

 母譲りの美貌を持つ姫宮雪生。彼はイギリス留学から帰国してすぐに、叔父であり著名な写真家・塔野貴志に監禁された。どうやら貴志は、雪生の母、つまり義姉・雪乃に思慕していたらしい。貴志から倒錯した性的虐待を受けた雪生だったが、辛うじて邸宅から逃げ出すことに成功する。そして雪生を拾い匿ったのは、写真家志望の青年・藤堂大地だった。次第に心を通わせていき、そしてお互いに惹かれあっていく二人は……。美貌の青年・姫宮雪生をめぐる耽美小説、シリーズ第1弾。

●篠田真由美(しのだ・まゆみ)
1953年、東京生まれ。1977年、早稲田大学第二文学部卒業。1992年、第2回鮎川哲也賞の最終候補に残った『琥珀の城の殺人』(東京創元社)でデビュー。1994年に『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社)を発表。以後、ミステリ、幻想、伝奇ジャンルで執筆。

この貧しき地上に(2)

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NEW『この貧しき地上に(2)』

篠田真由美・著

雪生の気持ちをうまく受け止めることができずに苦悩する大地は……

 一つ屋根の下で暮らすようになった藤堂大地と姫宮雪生。こっそりと大地の仕事ぶりを覗き見するつもりでベトナムまで追っかけてきた雪生だったが、ある男の罠に嵌まり凌辱されてしまう。傷ついた雪生にどう接してよいかわからず悩む大地。真実の愛に気づいた大地は、雪生をその腕に抱き止めることができるのか……。美貌の青年・姫宮雪生をめぐる耽美小説、シリーズ第2弾。

●篠田真由美(しのだ・まゆみ)
1953年、東京生まれ。1977年、早稲田大学第二文学部卒業。1992年、第2回鮎川哲也賞の最終候補に残った『琥珀の城の殺人』(東京創元社)でデビュー。1994年に『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社)を発表。以後、ミステリ、幻想、伝奇ジャンルで執筆。

この貧しき地上に(3)

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NEW『この貧しき地上に(3)』

篠田真由美・著

過酷すぎる試練を越えて、二人が再会できるのはいつの日か

 幸せな日々も長くは続かなかった。姫宮雪生がロンドンで手紙だけを残して失踪してしまったのだ。行方を追ってロンドンへ到着した藤堂大地は、かつて雪生と深い関係にあったというレディ・マーガレットの協力を得たが、その頃すでに雪生は、復讐に燃える金髪のアマゾネス、アタランテの鞭に晒されていた。人間性を剥奪され、すべての自由を奪われて奴隷となった雪生。なぜ彼は自ら身を捧げることを決意したのか。そして大地は無事に雪生を取り戻すことができるのか……。美貌の青年・姫宮雪生をめぐる耽美小説、シリーズ第3弾にして完結篇。

●篠田真由美(しのだ・まゆみ)
1953年、東京生まれ。1977年、早稲田大学第二文学部卒業。1992年、第2回鮎川哲也賞の最終候補に残った『琥珀の城の殺人』(東京創元社)でデビュー。1994年に『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社)を発表。以後、ミステリ、幻想、伝奇ジャンルで執筆。

螺鈿の小箱

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NEW『螺鈿の小箱』

篠田真由美・著

サイゴンの熱気の中で、幻の満開の桜の下で、第二次大戦自の上海の妓楼で……秘めやかに繰り広げられる幻想の宴

 この作品集にはいままでアンソロジーなどに書き下ろしたままのノン・シリーズ小品から、幻想ミステリとでも呼び得るべきものを選んで書き下ろし一編を加えた。発表場所も与えられたテーマもそれぞれの短編だが、ミステリでデビューし、ミステリを書き続けながら物書きとしての根は『幻想』にあると感ずる篠田真由美の、一番書きたいあたりに近い作品群である。(「あとがき」より)
 アジアの風土とヨーロッパの文化の配合が作り上げた物語の宝石箱。名手が心を込めて織り上げた、絢爛たる幻想ミステリ集成。

*人形遊び
*暗い日曜日
*象牙の愛人
*双つ蝶
*ふたり遊び
*春の獄
*天使遊び

●篠田真由美(しのだ・まゆみ)
1953年、東京生まれ。1977年、早稲田大学第二文学部卒業。1992年、第2回鮎川哲也賞の最終候補に残った『琥珀の城の殺人』(東京創元社)でデビュー。1994年に『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社)を発表。以後、ミステリ、幻想、伝奇ジャンルで執筆。

夢魔の旅人

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NEW『夢魔の旅人』

篠田真由美・著、高屋未央・イラスト

南国の陽光と、その陰に息づく闇が織りなす、怪しくも魅惑的な作品世界

 時を越えて永遠にさすらう者。レオナルド・ダ・ヴィンチが己の顔を与えた最後の作品。死も老いも知ることのできぬ呪われたホムンクルス。人は彼を「夢魔の旅人」と呼ぶ……。アンソロジー「異形コレクション」に寄稿された作品を中心に編まれた傑作イタリアン・ホラー短篇集。高屋未央による廣済堂版の表紙イラストを特別収録。

*大いなる作業
*還ってくる――
*薔薇よりも赤く
*黄昏の歩廊にて
*月盈ちる夜を
*壁の中には
*螺旋階段
*Flora
*奇蹟
*君知るや南の国
*夢魔の旅人

●篠田真由美(しのだ・まゆみ)
1953年、東京生まれ。1977年、早稲田大学第二文学部卒業。1992年、第2回鮎川哲也賞の最終候補に残った『琥珀の城の殺人』(東京創元社)でデビュー。1994年に『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社)を発表。以後、ミステリ、幻想、伝奇ジャンルで執筆。

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