• 2019/7/31
  •  倉阪鬼一郎先生のホラー・伝奇・ミステリなどなど、10作品が一挙に電子化されました!
    『死の影』はホラーの王道とも言える、幽霊を扱った作品。引っ越してきたマンションでちらちらと見える女の影。だがあれは数年前に死んだ自分の妻ではないのか? そして、某宗教団体が経営するというそのマンション付近では、怪死事件が頻発して……。
    『ブラッド』も強烈なホラー小説。新しく出来たショッピングモールを軸にして、次々と関係者が死亡していきます。いやもう、ホントにばったばったと死んでいくのです。果たして最後まで生き残るのは誰なのか。あと「今ので何人死んだかなぁ」と死者をカウントしながら読み進めていくと楽しいかもです。
    『屍船』は「異形コレクション」シリーズ収録の作品を中心に集めた短編集。特に表題作は強烈ですねぇ……。「死ぬことができない島」から脱出するために奮闘するのですが、まぁその脱出方法がかなりグロいです。ホラーあり、ミステリあり、ユーモアあり、と多彩な内容となっています。
     作中に仕掛けが施されることの多い倉阪作品ですが、『文字禍の館』もまたスゴイ。お化け屋敷的なテーマパークに招待されたオカルト雑誌編集部の3人。彼らがその屋敷の中で出会った恐怖とは? “文字禍”のタイトル通り、文字に関係する恐怖なのですが……。制作裏話としては、この作品、かなりepub泣かせといいますか、紙の本ならではの仕掛けが随所にあって、どうやって電子版で再現しようかかなり悩んだタイトルでもあります。可能な限り、底本の雰囲気が伝わるように努めました。
    『首のない鳥』は個人的に大好きな作品。不気味な雰囲気でじわりじわりと忍び寄ってくる恐怖が描かれた前半、人間の醜さが爆発して容赦ない凄惨シーンが連続する後半、ともに強烈です。強烈すぎる内容なので、気の弱い人なら読んだ後にメンタルをやられてしまうかもしれません。笑
    『四重奏 Quartet』は凝りに凝ったミステリ小説です。とある洋館で起こった殺人、またその隠蔽工作が描かれた連続殺人事件もの、ではあるのですが、作中のあちこちに仕込まれたトリック、暗号に果たして気づくことができるか……。初読の時と2回目以降では、印象が大きく異なる作品です。
    『大鬼神 平成陰陽師国防指令』はイケメン陰陽師が主人公(小島文美さんの美麗イラストに注目!)。彼は宮内庁に極秘に属し、日本の霊的国防を司っているスーパーヒーロー的な人物なのです。倉阪先生には珍しい伝奇小説、いや伝亀小説?といっても差し支えないくらい、亀、亀、亀。ひたすら亀というモチーフが出てくる作品です。
    『42.195』はドキドキハラハラのノンストップ・サスペンス。「東京グローバル・マラソンで2時間12分を切れ。さもないと息子を殺す。会社の人間には絶対にもらすな」マラソン大会の途中で誘拐犯からあれこれを指示が飛び、警察関係者が引っかき回される様子が結構楽しめるのですが、果たして真犯人は無事逮捕されるのでしょうか?
    『汝らその総ての悪を』は原稿用紙1008枚を超える大作。分量もそうですが内容もかなり濃い目のボリュームある作品で、ジャンル的には……どうなんでしょう。私個人は純愛作品と捉えたのですが、人によってはバイオレンス小説、あるいはミステリとして読むのかもしれません。殺人を犯してしまった若い男女の逃避行を描いた物語で、セックスシーンも多く、官能的な要素も多分にあります。宗教的な暗喩も多く、雰囲気も暗くてエグイ描写もたくさんありますし……非常に評価の難しい内容なのですが、人の心の脆さ、儚さ、あるいは美しさを描いた小説として、傑作だと思います。
    『遠い旋律、草原の光』は先ほどの『汝らその総ての悪を』とは逆に、静謐な美しさにあふれた作品。絵画とクラシック音楽の中で紡がれる純愛を描いています。楽譜に秘められた暗号を解読する、というミステリ要素もあるのですが、やはり恋愛小説としての印象が強いですね。クラシック音楽の素養がある方には、なおのこと楽しめるのではないかと思います。

新刊案内

死の影

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NEW『死の影』

倉阪鬼一郎・著

宗教団体が経営するマンション付近では怪異が頻発……いかなる“魔”が棲みついているのか

 事故死した妻が書いた小説を発表し、それが大ベストセラーになった唐崎六一。多額の印税によって彼が手に入れた新居は、慈善宗教団体「愛と平和の園」が経営母体と謳われた瀟洒なマンションだった。だが、そこに隣接する同じ経営の幼稚園で園児が行方不明になり、その数日後、別の園児が目をキリで突かれた惨殺屍体で発見された。数年前から同じ連続事件を追っていたルポライターの久野麻亜子は、恋人である唐崎と真相を掴もうと動き出すが、その矢先、マンションの住人が次々に殺され、魔の手は二人にも……。

●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。

ブラッド

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NEW『ブラッド』

倉阪鬼一郎・著

犯人たちの頭に響く不気味な童謡……猟奇連続殺人の魔手を逃れ、生き残るのは誰か!?

 巨大アミューズメント施設を取り巻く地域で、連続する通り魔殺人。平凡な人間が、子供も大人も動物も、ありとあらゆるものを殺し抜く殺人鬼に突如変貌していく。無関係なはずの犯人たちの頭に鳴り響き続ける不気味な童謡とは? 現代に悪魔が甦ったごとき鬼畜の所業、この禍々しき悪夢を祓うのは誰か……。戦慄のノンストップ・ホラー。

●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。

屍船

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NEW『屍船』

倉阪鬼一郎・著

中尉が髪をつかみ、首だけになった自分をぶら下げている

 奇妙なことに、彼らは年をとらなかった。食事をしなくても空腹を覚えず、べつだん衰えもしなかった。不死の身となった兵士たちは、退屈と焦燥のなか、一人また一人と狂っていった。腹を切った者もいた。だが、どんなにはらわたを引きずり出し、首を切り離されても、兵士は死ぬことができなかった。船を見ぬこの島には、恩寵としての死は与えられていなかったのだ。(「屍船」より)
 混沌の海と恩寵の殺戮を描く表題作他、ホラー・怪奇短編16本を収録。

●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。

文字禍の館

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NEW『文字禍の館』

倉阪鬼一郎・著

そのテーマパークでは禍々しい“意味”を持つ「文字」が人を襲う!?

 文字禍の館……それは、ある大金持ちの変人が建てたという、一般非公開のテーマパークである。噂では入館したまま消息を絶った者もいるという。オカルト雑誌『グノーシス』編集部の髀塚たち三人は、招待を受けて謎の館を訪れるが……。
 ホラー小説に独自の境地を拓く気鋭が、奇抜な手法を駆使して、“文字そのものの恐怖”に挑戦した驚天動地の奇想小説。

●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。

首のない鳥

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NEW『首のない鳥』

倉阪鬼一郎・著

社のシンボル“首のない鳥”のバッジを身につけてから次々と異変が!?

 同族経営で百年の歴史を誇る光鳥印刷。校正者を務める辻堂怜子は、社が請け負った極秘文書を担当することになった。厳戒体制の下、窓のない部屋で仕事に就いた彼女は、上司からバッジを手渡される。絵柄は社のシンボル“首のない鳥”。裏にはなぜか“13”という不吉な数字が刻印されていた。直後、元同僚が「狙われています、次は」と謎の言葉を残して失踪した。不安に戦く怜子。やがて、光鳥印刷にまつわる忌わしい過去が浮上した時、彼女の身に……。

●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。

四重奏 Quartet

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NEW『四重奏 Quartet』

倉阪鬼一郎・著

高い壁で護られ、奇怪な意匠と精緻な罠を施した四階建ての館で何か起きたのか

 悲鳴は幻聴ではなかった。すでに瞳孔が開いていた。両手の指は強ばっている。蘇生の試みは空しかった。息絶えたものが二度と動くことはなかった。天使が見下ろしている。人間の営みに天使たちが関わることはない。それぞれの表情を浮かべたまま、ただ冷たく眺めているばかりだった。(本文より)
〈堕天使の部屋〉と名付けられた部屋、薔薇が咲き乱れる広い庭、そして獣のうなり声が聞こえる屋根裏部屋。館を支配する旋律が戦慄に変わる時、大量殺戮劇が始まる……。技巧の限りを尽くした驚愕のミステリ。

●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。

大鬼神 平成陰陽師国防指令

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NEW『大鬼神 平成陰陽師国防指令』

倉阪鬼一郎・著、小島文美・イラスト

神聖視される“亀”に隠された古代のメッセージとは? 霊的国防を担う現代の陰陽師!

「未曾有の大凶事が迫っている」宮内庁に極秘に属し、日本の霊的国防を司る陰陽師・中橋空斎の掛(け)に、戦慄の事態が! 凶事とは何か、いつどこで起こるのか? 奈良時代の陰陽道天貴流の秘録が解読できれば、防衛策が取れるのだが……。
 一方、空斎の親友である作家の神山は、丹後で出土した亀の甲羅の謎を追っていた。瑞祥亀(ずいしょうき)、改元、浦島伝説……神聖視されてきた亀に隠された古代のメッセージ。それこそ国家の危機を示すものだった。果たして空斎は凶事を防ぐことができるのか!? 現代の陰陽師が活躍する伝奇小説。

●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。

42.195

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NEW『42.195』

倉阪鬼一郎・著

すべては始めから不可能だった……ゴールで待ち受ける驚愕の真相とは!?

「東京グローバル・マラソンで2時間12分を切れ。さもないと息子を殺す。会社の人間には絶対にもらすな」……無名のマラソン選手・田村健一の長男が誘拐され、奇妙な脅迫状が届いた。金銭の要求はいっさいない。警視庁捜査一課特殊犯罪捜査一係の喜多川警部は推理を重ねるのだが決め手が見つからない。犯人の目的はいったい何なのか? 子供の命は? 無情にもレースは進む。焦る捜査陣をあざ笑うかのように、奇妙な誘拐事件はますます不可解な様相を見せはじめる……。長篇本格推理。

●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。

汝らその総ての悪を

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NEW『汝らその総ての悪を』

倉阪鬼一郎・著

少年は少女と出会い、そして逃亡者となった……聖書に隠された“秘密”を求めて

 その時が来た。儀式の夜、浚は暗闇の中にいた。押入れの上段で息を詰め、ナナとキリストを待っていた。おはなしをすると、ナナはとても喜んでくれた。殺していいのね、なんにも悪いことしてないよね、と瞳を輝かせた。夏のナナの目だった……。
 倒錯したセックスと殺人を繰り返す若い男女。彼らは美しくグロテスクで狂ったこの世界から逃れられるのか。原稿用紙1008枚を超える純愛ノワール大作。

●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。

遠い旋律、草原の光

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NEW『遠い旋律、草原の光』

倉阪鬼一郎・著

美貌の女性指揮者と難病を患う青年画家が、戦時中の怪死事件に潜む“哀しき暗号”に挑む

 軽井沢フィルを率いる美貌の指揮者・火渡樹理(ひわたり・じゅり)と難病を患う新進画家の緑川弦(みどりかわ・げん)が出会ったとき、三代にわたり二家を縛る不思議な因縁が露になる。第二次大戦中に起きた樹理の祖父の割腹自殺と弦の祖母の密室での縊死事件。短歌と楽譜、そしてロシア文字に隠された美しくも哀しい暗号とは? 樹理と弦にのみ聴こえるヴァイオリンの旋律が二人を真実の高みへと導く……。
 現代のサナトリウム文学的恋愛音楽ミステリ。

●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。

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