• 2018/11/16
  •  ファンの皆様、お待たせしました。石黒達昌先生の過去作、5作品が一挙に電子化されました! 多くの文学賞を受賞され、芥川賞にも何度かノミネートされたことがあるので、「純文学の作家」という印象が強いかもしれませんが、SFから怪奇小説まで実に幅広いジャンルの作品を発表されているんですよね。本業が医師ということもあって医学的なテーマが多いのも特徴。「理系小説といえば石黒達昌!」と言うファンも多いかと思います。ただし未読の方にとってはいずれも、とっつきやすい、読みやすい作品ではありません。難解な小説と言っていいかも。それだけにハマッた時には抜けられなくなるんですね〜。
     最初に手に取るなら、SF短編を集めた『冬至草』がオススメでしょうか。個人的には、癌との闘いを淡々と描いた感動の中篇「最終上映」「ステージ」が収録された『最終上映』が好きです。論文形式の小説ということで話題になった『平成3年5月2日,…』もすごいアイデアの作品なので必読でしょう。
     ちなみに、今回電子化された『平成3年5月2日,…』は【完全版】と謳っています。というのもですね、実は単行本から文庫化される際にはいろいろ制約があって、原稿を修正して図版も少なくなっていたんですね。若干バージョンが違うわけです。石黒先生ご本人としては単行本版に愛着があるそうですが、スッキリとまとまった文庫版を推す愛読者もいるようでして、どちらを収録しようかどうしようか、じゃあどっちも収録しちゃいましょう、と相成ったわけでございます。つまり、福武書店版の「平成3年5月2日,…」、ベネッセ版の「進化」、ハルキ文庫版の「進化part1/part2」を収録。まぁ言ってしまえば“全部入り”バージョンです。
     そしてそして、なーんと、電子オリジナルの作品集、しかも3タイトル同時に登場です! 雑誌掲載のみで今まで単行本に収録されなかった短編作品が結構ありまして、それらをざーっと収集、3つのテーマに分けて収録しました。
    『診察室』=医療と人間との関係を描いた純文学、医療ミステリなどの中短篇を収録。
    『検査室』=調書、私信、寓話など実験的な手法で書かれた短編・掌編を収録。
    『待合室』=エッセイや評論などフィクションでないものを収録。
     それぞれの収録作品については、販売画面の紹介文に記載してあります。
     いずれにせよ、今回の電子化された8タイトルを全部押さえておけば、「石黒達昌全集」ではないですけれど、ダブリもなく収集できます。中古本はどれも高値が付いてますしね。この機会に是非!読んでみてください〜。

新刊案内

最終上映

amazon Kindle

NEW『最終上映』

石黒達昌・著

解剖室の冷徹な空間から浮び立つ翳は、病む者と癒す者の間垣を越え得るのだろうか

 寝たきりに近い状態となったその癌患者は、長らく会っていなかった大学時代の友人だった。癌の告知をすべきか否か。主治医となった男の苦悩を描き、第8回海燕新人文学賞を受賞した表題作と、愛する人の臨終と病理解剖を静かに見つめる「ステージ」を収録。

*最終上映
*ステージ

●石黒達昌(いしぐろ・たつあき)
作家、医師。1961年北海道生まれ。東京大学医学部卒業。「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。

94627

amazon Kindle

NEW『94627』

石黒達昌・著

事件後の調査で明らかになった医療と人間の関係性とは? 報告書形式でその恐怖を描いた実験的な短篇集

 戦争、クスリ、多重人格……1990年代の生と死。マラソンの素人に近かった女性ランナーがクスリを使用し、世界記録を上回るペースで来た40キロ過ぎに突然死した。その死を巡って、複数の毒物に関わった研究者や医師が、麻薬や毒物の研究と症例を生々しく裁判の証言で語る。
 第9回三島由紀夫賞候補となった表題作のほか2篇を収録。

*「イスラム教の信者、ユダヤ教の信者、キリスト教徒など、神と終末の日とを信じ善を行う者は、その主のみもとに報酬がある。彼らには恐れも悲しみもない」
*94627
*ALICE

●石黒達昌(いしぐろ・たつあき)
作家、医師。1961年北海道生まれ。東京大学医学部卒業。「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。

冬至草

amazon Kindle

NEW『冬至草』

石黒達昌・著

架空の動植物を媒介にして、生命と科学の本質を描きだす理系小説の完成形

 北海道・旭川の郷土図書館で見つかった新種の植物“冬至草”の押し葉。太平洋戦争期の在野研究者が遺した記録から、ウランを含んだ土壌に生息して人間の血液を養分とする異様な生態が明らかになっていく……。
 科学という営為の光と影を追究した表題作、異端の天才科学者の半生が浮き彫りにする論理と倫理の相克「アブサルティに関する評伝」、終末医療の情景を宇宙的な死生観から綴った第132回芥川龍之介賞候補作「目をとじるまでの短かい間」ほか、全6篇を収録。

*希望ホヤ
*冬至草
*月の‥‥
*デ・ムーア事件
*目をとじるまでの短かい間
*アブサルティに関する評伝

●石黒達昌(いしぐろ・たつあき)
作家、医師。1961年北海道生まれ。東京大学医学部卒業。「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。

平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,【完全版】

amazon Kindle

NEW『平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,【完全版】』

石黒達昌・著

繁殖に成功したかに見えたハネネズミが絶滅……その生存最後のドラマは人類滅亡のメタファーである

 ハネネズミを殺したのは誰なんだ。石狩川上流の渓谷、神居古潭に長年繁殖してきたが、遂に絶滅したハネネズミ。その最後の種の生存と死のドラマを観察した二人の医学者の記録と論文が残された……。人類の滅亡のメタファーを幻の小動物に託した卓抜な発想を、科学論文形式の中に透明な叙情性のある文体で表現したSFミステリ。
 第110回芥川龍之介賞候補、第16回野間文芸新人賞候補となった「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」(本来は無題作品)、その続編「新化」のオリジナル版(単行本版)、後年になって大幅の修正が施された「新化 Part1/Part2」(文庫版)の全バージョンを併録。さらに、電子版あとがきを収録した完全版。
 ※本書は著者の意向により本文横書きで制作されています。

*平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,
*新化
*新化 Part1
*新化 Part2

●石黒達昌(いしぐろ・たつあき)
作家、医師。1961年北海道生まれ。東京大学医学部卒業。「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。

人喰い病

amazon Kindle

NEW『人喰い病』

石黒達昌・著

どこまでが虚構か現実か……医学的見地から描かれた医学SF小説の最高峰

 どんな抗生物質も抗ウイルス剤も通用せず、数週間から二ヵ月間で確実に死に至る新種の疾患「人喰い病」の正体に迫る表題作をはじめ、低体温症の女性とその一族の隠された謎を探る「雪女」など、最新の医学知識と遺伝子工学からつむぎ出された世にも不思議な物語を4篇収録。理系小説の旗手が贈る真実のサイエンス・フィクション。

*雪女
*人喰い病
*水蛇
*蜂

●石黒達昌(いしぐろ・たつあき)
作家、医師。1961年北海道生まれ。東京大学医学部卒業。「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。

診察室

amazon Kindle

NEW『診察室』

石黒達昌・著

患者の前で医者の役割を演じている自分は一体何者なのだろうか?

 いつまで生きることが出来るのか。もし剛造がそのことを和夫に聞いていたのだとしたら、和夫は今すぐにその答えを剛造に教えてやりたかった。でも、それは和夫にも分からないことだった。それを和夫が正確に知るのは剛造の死の間際だろう。そして、もうその時にはそんなことは剛造には何の意味もなくなっているに違いない。結局、和夫が知っていることは剛造にはまるで役立たないことばかりだった。(「鬼ごっこ」より)
 医療と人間との関係を描いた純文学、医療ミステリなどの中短篇を収録。電子オリジナル作品集。

*鬼ごっこ
*或る一日
*ハバナの夜
*その話、本当なのか
*足
*真夜中の方へ

●石黒達昌(いしぐろ・たつあき)
作家、医師。1961年北海道生まれ。東京大学医学部卒業。「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。

検査室

amazon Kindle

NEW『検査室』

石黒達昌・著

「彼」はじっと試験管の中に入っている「私」の細胞を見ていた

 ふと、脇腹に痛みを感じた。おかしな姿勢でうたた寝をして、特殊な筋肉を使ったのか、鈍痛がある。やはりまぶしさを感じた瞬間に意識を戻したのだと、「気づいた」。いや「思った」。「気づいた」のだろうか「思った」のだろうか? ふっと、その少し前にも痛みを感じていたと「思った」。どういう自分なりの必然からか、それは次第に確信に近づいた。(「†」より)
 調書、私信、寓話など実験的な手法で書かれた短編・掌編を収録。電子オリジナル作品集。

*カミラ蜂との七十三日
*王様はどのようにして不幸になっていったのか?
*今年の夏は雨の日が多くて
*私の中の東京、東京の中の私
*(失踪中の王妃からの手紙)
*†
*ショールーム

●石黒達昌(いしぐろ・たつあき)
作家、医師。1961年北海道生まれ。東京大学医学部卒業。「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。

待合室

amazon Kindle

NEW『待合室』

石黒達昌・著

作家として、一読者として、医者として、科学者として、つれづれに思うこと

「作家の気分」と対にしなくてはならない「読者の気分」について考えると、世の中には「良く書けている小説」というものがあり、それとはまた別に「良い気分にさせてくれる小説」というものがあることに気づく。ここで言う「良い気分」というのは個人によって様々に異なるので、ある人間にとって「嫌悪を催すような」という形容詞付きで語られるものでも別の人間にとっては「良い気分」なのかもしれないが、この際それはどちらでも構わないことにする。(「作家とその生理」より)
 エッセイや評論などフィクションでないものを収録した電子オリジナル作品集。

*作家とその生理
*死のレベル
*正義の実現
*丁寧語を使うことは損なのか?
*子供の世界
*理科系人間の宗教
*理想的な医者とは?
*幻の英語
*現代の神話としての科学・遺伝子論
*この世の終わりは一体どのような形になるのだろうか?
*読み終えるのが惜しくなる
*読書ノート
*脳の深い谷間
*失ったものと得たもの
*アヴァン・ポップとは?
*健常を「笑う」健全なる精神
*「耳」という臓器の群れ
*対話 石黒達昌×石黒達昌

●石黒達昌(いしぐろ・たつあき)
作家、医師。1961年北海道生まれ。東京大学医学部卒業。「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。

Copyright c ADRENALIZE All Rights reserved.