• 2017/1/13
  • 「消えたミステリ作家」こと藤本泉(ふじもと・せん)先生の後期7タイトルが電子で復刊です!
    なぜ「消えた」かと言うとですね……前回も投稿しましたので再掲しますね。(前回と同じ文章なので既読の方は飛ばしてください)
     藤本泉(泉は「せん」と読みますよ。「いずみ」だと女優さんのほうです)先生は、70〜80年代に活躍した女性の伝奇ミステリ作家。『時をきざむ潮』が江戸川乱歩賞を受賞しています。惜しくも最終候補止まりだったのは、『地図にない谷』(江戸川乱歩賞)、『呪いの聖域』(直木賞)、『ガラスの迷路』(日本推理作家協会賞長編賞)。後述しますが、『呪いの聖域』『時をきざむ潮』『呪いの聖域』『針の島』『呪いの聖女』の「えぞ共和国」シリーズ5部作が有名です。
     彼女を評する際によく「消えたミステリ作家」という言葉が使われます。そう、実際に“消えた”んです。1986年、執筆取材のため西ドイツのケルンに移住。1989年、フランスを旅行中、ご子息家族へ手紙を出して以降、ぷっつりと消息を絶っています。その手紙の内容は「孫の顔を見に近々帰国する。船旅なので、ブラジルにいる友達のところへ寄ってから日本へ戻る」。ただしフランスからの出国記録は残っていないそうです。フランス国内で何か事件に巻き込まれたか、と当時の外務省を通じて捜索したらしいのですが、全く手掛かりなし。現在に至るも杳として消息が知れないそうなんです。まさしくミステリ。これが本当のミステリ作家ですねぇ…。汗
     まぁそんなわけで各出版社とも、どう対応していいかわからず、全作品がずうっと絶版だったのです。それから30年近く経過し、このたびご子息の許諾を得て電子書籍として過去の名作群を復刊することができました。いやぁ、感慨深いです。
     ……と来歴をざっと記述したところで、内容紹介に入ります。
    『血ぬられた光源氏』は同居している伯父の女性遍歴に疑問を抱いた姪の京子が、彼の過去を探っていくお話。過去の殺人を暴いていくミステリなのですが、やっぱり藤本先生らしいというか、ひたすらドロドロとした雰囲気。暗い、暗い、暗いです。汗 初期の名作『呪いの聖域』に似た雰囲気なので、こちらを気に入った方は是非。
    『ガラスの迷路』はチェコスロバキアの首都プラハで殺された恋人の謎を調べるため、単身乗り込む日本人青年が主人公。後期の藤本先生は「社会主義国」へのアプローチが多いんですよね。初期にも、ソビエト連邦政府と少数民族の対立を描いた『オーロラの殺意』を書かれていますが、本作はさらに「社会主義国」で住む人々の暮らしはどういったものか、言論統制、監視・密告社会の恐怖を描いています。
    『暗号のレーニン 革命の父のミイラの秘密』はソ連時代のモスクワに赴任した外交官が主人公。『ガラスの迷路』と同様、「社会主義国」というのはどういうものなのか、民衆からの視点で描いています。常に政府の監視の目を気にしながら、たった一人で、父の死を秘密裏に調査する怖さ…。うーん、やっぱり藤本先生の作品の「暗さ」は特徴的ですね…。汗
    『時界を超えて 東京ベルリンの壁』は、SF短編集。本作には、『70年代日本SFベスト集成』(筒井康隆・編)にも収録されて人気の高い「ひきさかれた街」が入っています。日本が東西陣営によって真っ二つに引き裂かれた、という設定。「ひきさかれた街」は東側から西側へ密かに国境を越える少年のお話なんですね。現在はもうベルリンの壁は存在しませんので、今なら“脱北”に近い感覚なのでしょか。ちなみに同時収録の「時界を超えて」は逆に、西側から東側へ、かつての妻を探しに入国する男のお話です。
    『死霊の町』は長篇SF。核戦争が起こり、放射能の影響で極端に出生率が低下した近未来社会が舞台です。子供は貴重な存在となっており、グループ婚が一般的になった日本で起きた、特殊な殺人事件を追う刑事は…。暗さでいうと本作がピカイチかもしれませんね〜。荒廃した近未来、という設定だけで暗いのに、主人公の男の境遇が不幸すぎるもの。汗
    『1008年源氏物語の謎』はSF短編集。個人的には「後天性多肢症」がおもしろかったですね〜。朝起きたら、左腕がもう1本生えているのを発見してびっくりする大学教授。カフカか寄生獣かという感じの、少しコメディ少しホラーなお話です。
    『秘聞一向一揆』は時代小説。加賀の一向一揆の裏側を描いたミステリ作品です。復讐を遂げるため、身も心も犠牲にする女猿楽が主人公。本作も暗い、徹底的に暗いです。汗 それにしてもSFから時代小説まで、ホントに幅広い作家さんなんですねぇ…。

     さて続いては日下圭介先生のミステリ作品、4タイトルです!
    『悪夢は三度見る』は江戸川乱歩賞の『蝶たちは今…』のすぐ後に発表されたミステリですので、気合いが入っております。ネタバレになるのであまり書けませんが、あちこちに張り巡らされた伏線が一本につながり、犯人はコイツに間違いないのに決定打がない…、というところでずばーんと切り込んで、アリバイトリックを暴くシーンが見事ですね〜。
    『ころす・の・よ』『優しく埋めて』はともにミステリ短編集。日下先生は実は長編よりも短編のほうがお得意なのでは? と思ってしまうぐらい秀逸な短編小説がたくさん収録されています。
     後期の日下先生は昭和初期の歴史を扱った作品をたくさん書かれるのですが、『名前のない死体』もそのジャンルの代表作の一つだと思います。舞台は現代なのですが、満州国や張作霖爆殺事件、日中戦争といった昭和史と密接に結びついたストーリーです。

新刊案内

血ぬられた光源氏

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NEW『血ぬられた光源氏』

藤本 泉・著

伯父の女性遍歴はただならない、ましてや彼女たちのほとんどが不審死を遂げている

『源氏物語』研究の権威者である大学教授・洞院一史が起こした交通事故。彼は一命を取り留めたが、同乗していた若く美しい教授夫人はこの世を去った…。洞院家に居候している姪の京子は、事故に疑問を抱き、恋人の黒鍬文夫とともに伯父の過去を探っていく。やがて暴き出されたものは、醜悪な女出入りだった。本妻を三度も事故で失い、また数々の女たちが疑惑につつまれて死んでいた。光源氏を地で生きた、世にもまれな殺人鬼に挑む京子だが…。

●藤本泉(ふじもと・せん)
1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。

ガラスの迷路

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NEW『ガラスの迷路』

藤本 泉・著

社会主義国で殺された恋人の無念を晴らすため、日本人青年が単身乗り込んで調査にあたる

 ガラス工芸に生きる大浜海多は、恋人・磯西数子の突然の心中事件を知った。場所は数子がガラス器製作の研修で訪れていたチェコスロバキアの首都プラハで、しかも相手は親友の中務秋男だった。数子への追憶を胸に、遺骨引き取りにプラハへ行った大浜は不審な点に気づき、事件を調べ始めたが、警察権力の壁に行く手をはばまれる…。
 圧殺された“1968年の春”以後のプラハを舞台に、権力者の腐敗と庶民の沈黙の底に流れる世界を鋭く抉る。第30回日本推理作家協会賞長編賞候補作品。

●藤本泉(ふじもと・せん)
1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。

暗号のレーニン 革命の父のミイラの秘密

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NEW『暗号のレーニン 革命の父のミイラの秘密』

藤本 泉・著

万人に公開されていながらなお不可解な「レーニンのミイラ」を巡る謎とは

 八重浜健(やえはま・たけし)はモスクワにあるレーニン廟見学者の長蛇の列のなかにいた。何かしらとほうもなく威圧的できびしい雰囲気。その過剰なほどの警備は、社会主義国家・ソビエト連邦の“聖地”を如実に示す光景だった。このモスクワで、八重浜の祖父も父も、レーニンのミイラに何らかの関係があるという「暗号文」を追い、そしてそのせいで消されてしまった。そんな思いが彼の中にあった。遺された暗号文を解読するため動き出した八重浜だが、やがて暗殺者の手がのびて…。

●藤本泉(ふじもと・せん)
1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。

時界を超えて 東京ベルリンの壁

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NEW『時界を超えて 東京ベルリンの壁』

藤本 泉・著

米ソによって東西に分断された日本、偽造パスポートで“向こう側”へ渡った男は…

 ソ連支配下の〈日本人民共和国〉からアメリカ支配下の〈日本民主共和国〉へ亡命した画家の矢川岳。別れた妻から一ヵ月前のパリの消印のある手紙を受け取った彼は、危険を顧みず国境を越えた。だが妻は、一年前の火災で死んだという。不審な思いで焼け跡を訪ねた矢川がそこで見たものは…。(「時界を超えて」より)
 米ソに分断統治された日本が舞台。かつて亡命した男が妻に会うため“西側から東側へ”越境する中篇「時界を超えて」、少年が自らの勇気を試すため“東側から西側へ”越境する短篇「ひきさかれた街」、さらには聖徳太子を主人公とした短篇、計3本のSF作品を収録。

*時界を超えて
*ひきさかれた街
*クロノプラスティック六〇二年

●藤本泉(ふじもと・せん)
1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。

死霊の町

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NEW『死霊の町』

藤本 泉・著

極端に出生率が低下した近未来社会……この世界でしかあり得ない“殺人動機”とは?

 中性子爆弾による〈大被爆〉から三十年。人口は激減し、文明社会は崩壊。放射能の影響で人類の生殖能力が低下したこの世界では、子供は貴重な存在となっており、グループ婚が一般的になっていた。妻と腹の子を殺され、自ら事件の捜査にあたる刑事・江藤の前に、かつて乳呑み児だった自分と母親を捨てた父が突然現れた。当惑は次第に父への疑惑に変わる。二十数年前、父と母との間に何があったのか? 手がかりを求め、江藤は廃墟と化した東京の高層ビル街をさまよう…。異色のSFサスペンス長篇。

●藤本泉(ふじもと・せん)
1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。

1008年源氏物語の謎

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NEW『1008年源氏物語の謎』

藤本 泉・著

源氏物語成立の謎に迫る表題作ほか二編を収めたSF短編集

 社会主義国「ソビエト日本」が世界に誇る古典女流作家・紫式部……その否定は国家に対する裏切りと反逆を意味した。二〇七三の京都。粛清された国文学者を父にもつウチダは、密かに「源氏物語」の研究を進め、紫式部は作者でないとの確信をもった。そんな折、「源氏」誕生の一〇〇八年に時間旅行をする機会を得たウチダは、藤原道長の土御門邸に忍び込んだ。(「一〇〇八年源氏物語の謎」より)
 源氏物語成立の真相を探りに時間旅行する「一〇〇八年源氏物語の謎」、超インフレの未来社会を描いた「紙幣は吹雪のごとく」、ある日突然もう1本の左腕が生えてしまった大学教授の苦悩を描いた中編「後天性多肢症」の3本を収録。

*一〇〇八年源氏物語の謎
*紙幣は吹雪のごとく
*後天性多肢症

●藤本泉(ふじもと・せん)
1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。

秘聞一向一揆

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NEW『秘聞一向一揆』

藤本 泉・著

血塗られた大一揆、四枚の秘句に託された財宝、そして守護大名の暗殺に命を賭ける女の執念

 一四八八年(長享二年)、加賀の守護大名富樫氏と、加賀の国人門徒・坊主を中心とする農民門徒の連合勢が対決した一向一揆。富樫方を相手に血で血を洗う一揆が続く中、ひたすら富樫政親の命を狙うことだけに執念を燃やす女、奈辺君(なべぎみ)の鮮烈なる生き様。さらに秘文に隠された李王朝の財宝を巡って繰り広げられる、ミステリアスな争いを描く。歴史長編ミステリ大作。

●藤本泉(ふじもと・せん)
1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。

悪夢は三度見る

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NEW『悪夢は三度見る』

日下圭介・著

「絹代さんを殺したのは、わたしの兄です」突然訪問してきた雪子と名乗る若い娘はそう語った

 二年前、何者かに毒殺された水島絹代。彼女の家を、犯人の妹だと名乗る娘が訪れた。犯人は自殺し、殺人を告白した遺書が残されていたのだと語る。しかし、その男と被害者を結ぶ糸はどこにもない。なぜ彼女は殺されたのか? 絹代の兄である浩一と謙二は謎を追ううちに、過去に起きた北見沢泰子という女性の飛び降り自殺との関連性に気付く。そして、地蔵の影をともなって、悪夢がよみがえってくる…。

●日下圭介(くさか・けいすけ)
1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。

ころす・の・よ

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NEW『ころす・の・よ』

日下圭介・著

恋人に捨てられ、傷ついた心の隙間に忍び込む殺意

 恋人に捨てられ、傷ついた心に芽ばえる殺意。もう戻って来ない楽しかった日々と訣別するため、女は完全犯罪を計画する…。微妙に揺れ動く女心の翳りを描く表現作「ころす・の・よ」をはじめ、暑く重苦しい夏の殺人事件と蛍を象徴的にからませた「暗い光」、スラリー仕立ての「阿美の女」、日常生活の盲点を突く「盲点のひと」など、本格推理の佳作を七編収録したミステリ短編集。

●日下圭介(くさか・けいすけ)
1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。

優しく埋めて

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NEW『優しく埋めて』

日下圭介・著

それは一本の電話から始まった……失われた記憶をたどって過去が亡霊のように甦る

 警察を退職して警備会社に勤める渡会栄治は、ある朝見知らぬ女からの電話で起こされた。その女、大友康子の夫が十四年前に渡会に世話になったという。しかし康子の話はどうも要領を得ない。夫がどんな名前でどんな人間だったか調べて欲しいというのだ。気になった渡会が康子に会いにいくと…。失われた記憶に過去が錯綜する「流れ藻」を始め、9本の短編を収めたミステリ短編集。

●日下圭介(くさか・けいすけ)
1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。

名前のない死体

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NEW『名前のない死体』

日下圭介・著

元警視庁の刑事が殺された事件と、昭和三年に満州で起きた暗殺事件の関係は……驚くべき昭和史の内幕が明かされていく

 十年前、何者かに刺殺された父の墓参りに訪れた寺坂健吾。彼は、墓地で増渕という老人と、その孫娘の美奈子に声をかけられる。老人は、元警視庁の刑事だった寺坂の父に命を救われたことがあるといい、真犯人を探し出す手伝いを美奈子にさせるという。寺坂の父が現職時代に関わった事件の中で、中国人と思われる二人の人物が殺害されたものがあった。これが父の死に深い関係があると知った寺坂だが、当時の調査を続けるうち、昭和三年に満州で起きた中国要人暗殺事件とのつながりにも気づく。昭和史の常識を覆す父の死の真相と真犯人とは…。

●日下圭介(くさか・けいすけ)
1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。

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